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ポリイミド(PSPI)


ポリイミド(Polyimide, 略称 PI) は、芳香族ジアミンと酸無水物を縮合させて得られるヘテロ環含有高分子材料です。その中でも、フォトソルダーパストインスタントインデックス(PSPI: Photosensitive Polyimide) は、感光性基を導入した特殊タイプのポリイミドで、半導体製造や電子部品分野で広く利用されています。


主な特性

1.優れた耐熱性
分解温度が 300℃以上と高く、長期間の高温環境下でも性能を維持します。これにより、自動車電子部品や航空宇宙機器などの過酷な条件下での使用が可能です。

2.高い絶縁性
誘電率が低く(通常 3 未満)、周波数特性に優れているため、高周波回路やマイクロ波デバイスの絶縁材料として適しています。

3.感光性による微細加工性
フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングが可能で、数マイクロメートルの微細な形状を精度よく形成できます。これは半導体の層間絶縁膜やプリント基板のビア形成に必須の特性です。

4.機械的強度と柔軟性
引張強度が高く(通常 100MPa 以上)、かつ柔軟性を有しているため、フレキシブルプリント基板(FPC)など、屈曲が繰り返される用途にも適しています。


主な用途

半導体製造

集積回路(IC)の層間絶縁膜やパッシベーション膜として使用され、素子間の短絡防止や環境からの保護を果たします。

プリント基板技術
多層基板のビア接続や微小配線形成に用いられ、高密度実装技術(HDI)の実現に貢献しています。

フレキシブルエレクトロニクス
折りたたみ可能なディスプレイや可撓性センサーの基板材料として、軽量・薄型化が求められる分野で重要な役割を果たします。

耐熱部品
自動車のエンジン周辺部品や航空機の電子機器部品など、高温環境下での信頼性が要求される用途に適しています。


課題と技術的な進展

PSPI の主な課題は、湿式プロセスにおける吸湿による特性劣化 や、微細パターン形成時のラインエッジの粗さ(LER: Line Edge Roughness) などです。近年では、分子設計の最適化により吸湿率を低下させた改良型材料が開発されており、また、 EUV リソグラフィ技術との親和性を高めた PSPI の開発が進んでいます。これらの技術進展により、5nm ノード以下の先端半導体プロセスへの適用が期待されています。


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